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抄録を書くコツ

Makoto KYOUGOKU
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京極真
京極真

本記事では「抄録を書くコツ」について紹介します

この記事を書いているぼくは、作業療法士であり、大学教員です。

研究、講演、本の執筆などの活動をしているぼくが、抄録を書くコツについてサクッと解説します。

また、学会発表や学会参加に関する記事については以下にまとめています。参考にしてください。

抄録を書くコツ

日本作業療法学会の演題に登録する人は、以下の点に気をつけると抄録の質を高めやすいでしょう。

抄録は字数制限が厳しいです。

限られた文字数で過不足なく書くには、文章量の適切な比率を把握しておくとよいです。

文章量の比率

目安としては以下のような感じになります。

目安

序論:目的:方法:結果:考察 = 2:1:4:3:2(or1)

序論

書き慣れない人は、序論が長くなりすぎる傾向があります。

序論の字数は、目的が1だとしたら2ぐらいでよいでしょう。

目的

目的は具体的に明瞭にはっきり書き、比率としては一番少ないぐらいでいいです。

目的がだらだら書いてあると、たいてい読解不能な抄録になります。

方法

方法はもっともぶ厚く記載してください。

結果

結果は方法の分量に準ずるぐらいでよいです。

考察

考察は書きすぎると論理の飛躍が目立つだけなので、端的にスパッと書いちゃいましょう。

抄録を書くときに気をつけるポイント

  • とにかくクリアに書くことを意識する
  • いっぱい詰め込もうとするのはだめ

とにかくクリアにすることを意識する

研究で一番伝えたいことが的確に伝わるように、とにかくクリアに書くこと。

ほんと、これにつきます。

かれこれ6年近く院生指導を続けてきて、皆さん最初はこれが中々できないです。

いっぱい詰め込もうとするのはだめ

臨床や研究でいろいろやってきたことを、いっぱいつめこみたくなるんです。

気持ちはよくわかります。

でもそれやっちゃうとダメなんです。

学会発表のために書く抄録は、600字とか800字など文字数が極めて限られていますから、いろいろ書くと訳がわからなくなりますからね。

抄録の登録前チェックポイント

実際に抄録の登録する前に、以下の点をチェックするとよいです。

抄録登録前の事前チェック
  • 抄録は作業療法学の発展に貢献するか
  • 序論は研究の背景、価値、が示されているか
  • 目的は具体的で明瞭か
  • 方法は目的に適しており、具体的かつ明瞭か。倫理はOKか
  • 結果は目的にそって具体的かつ明瞭か
  • 考察は結果の新規性、価値が具体的かつ明瞭か
  • 首尾一貫した内容か
  • 曖昧模糊なところはないか
  • 過不足なく書けているか
  • そもそも発表する意味はあるのか

抄録を書くのが難しいと感じる人はどうすればいいか?

書き慣れない人は、良質な抄録を参考にするとよい

医療系でおすすめは以下になります。

抄録は無料で読めるのでぜひチェックしてみましょう。

学会抄録をクリアに書けるようにするためにはどうすればいいか?

量を質へ転換させるまで繰り返す

身も蓋ないこと言えば、書いて指導してもらってまた書いて、、、を繰り返す以外に特効薬はありません。

書く→指導を受ける、の数をこなしているうちに、だんだん書けるようになります。

しかし量が質の向上に転換するまでは、個人差があります。

何度やっても伸びない人と、数回やるうちにどんどん伸びる人。

この差はどこから来るのかというと、ほとんどは才覚で、あとは努力と運です。

努力する

普通、才覚は変えられるものではないので、努力でどうにかする必要があります。

努力のたいはんは実りませんが、それでもクリアに書けるようになるためには、1)指導者が指導する際に何に着目しているかに着目する、2)良質な文章をたくさん読む、3)いっぱい書く、などの努力は欠かせないです。

問題点に気づけるかが大事

クリアに書けるようになるためにはまず、自分が書いた文章の問題点に気づけることが大切です。

その手掛かりをつかむために、指導者が文章のどういうところに関心を向けているのか、という部分に関心を向けるわけです。

これは、気づきの向上に役立ちます。

良文を知る

またクリアに書くためには、どういう文章がクリアなのかを知っておく必要があります。

書き手のうちに良質な文章をストックする必要があるわけです。

またいくら良文を多読しても、畳水練でとどまる限りは実際に書けるようにはなりません。

クリアに書けるようになるためには、いっぱい書く経験が必要です。

一定数こなしていると、だいぶ良くなります。

書く場所がないですって?

Facebookでもblogでもなんでも使って書けばいいじゃないですか。

今の時代、書く場所で困ることはないですよ。

じゃ運はどう呼びこむか。

とても難しい問題ですが、最低限、現象をしっかり感じとることが必要なのではないでしょうか(知らんけどw)。

まとめ:抄録を書くコツ

本記事では、「抄録を書くコツ」について紹介しました。

簡単にポイントを紹介しましたが、抄録がサクッと書けるようになるといいですね。

それでも書けない人は、良質な抄録がいくつもあるので参考にしてみるといいですよ。

抄録のタイトルの付け方でお悩みの方は以下の記事で紹介しています。ぜひ、どうぞ!!

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著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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