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作業療法
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【事実】作業療法するならOBPの理解が欠かせない理由

京極真
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本記事では「なぜ作業療法でOBPが必要なんですか?」という疑問にお答えします。

こんな方におすすめ
  • 「最近、OBPってよく聞くけど、なんで大切なのかよくわからない」という人
  • 「OBP、OBPってうるせー。おれは作業療法士だけど作業療法しないぜ」という人

作業療法するならOBPの理解が欠かせない理由

理由は以下の3つです。

  • 理由①:OBPは作業療法のルーツである
  • 理由②:OBPはコアのアイデアを濃縮したものである
  • 理由③:OBPは作業療法の存在理由である

理由①:OBPは作業療法のルーツである

これは超重要です。

現代のOBPの始発点にあるのは「作業行動」というメタ理論です。

もう古典になりつつあるので、養成校によってはちゃんと教えていないかもですが、世界的に流行していOBPは作業行動がヘソの緒にあります。

その作業行動は、作業療法が誕生した頃の考え方を現代化したものなんです。

つまり、最初期の作業療法→作業行動→OBPという流れがあるわけ。

なので、OBPは作業療法の最先端であると同時にルーツでもあるわけです。

だから、作業療法でOBPが必要なんです。

現代に生きていると「ルーツ」なんてほとんど気にならないかもしれません。

けど、専門家にとってはマジで重要です。

簡単に理由を言えば、「ルーツ=専門性」を意味しており、ルーツを理解していると専門家として貢献しやすくなります。

他方、ルーツを理解していないと、自分の役割がわかりにくくなるので、いまいち貢献しにくくなります。

たまに、作業療法士だけどもぜんぜん違う領域の専門性で貢献している人がいます。

けど、そういう人はその領域のルーツには詳しかったりします。

ルーツは専門性を支えるので、ちゃんとやろうと思ったら、どうしたって詳しくならざるを得ないんです。

理由②:OBPは作業療法のコアのアイデアを濃縮したものである

OBPは作業療法の中核的発想を今風にしたものです。

中核的発想というのは「適切な作業は健康と幸福に肯定的な影響を与える」というものです。

作業療法の創始者たちは、専門家がきちんと設計した作業が病者を癒やすという事象に着目して作業療法を体系化しました。

作業は健やかな身体と精神に不可欠なものであり、作業に取り組むことによって幸せを感じることができる。

そう考えて、作業療法の基礎を構築していったわけです。

OBPは、このややもすれば素朴にもうつる思想的直観を現代化したものなんです。

OBPには作業で評価し、作業で介入するというモチーフがあります。

そのため、クライエントにとって意味のある作業を同定し、それに何らかのかたちで関与する機会を提供し、その経験から健康と幸福の状態によい影響を与えていくわけです。

OBPのこの手続きは、先の作業療法のコアのアイデアと完全に地続きです。

現代の作業療法はとても広い領域があり、身体機能、精神機能を重視するものもあり、それはそれでぜんぜんOKです。

OBPは大きく広がった作業療法からそのエッセンスを抽出し、ぎゅっと濃縮したかたちで再提示したものです。

それは、作業療法の大黒柱的なものです。

なので、OBPは作業療法で必要なんですよね。

理由③:OBPは作業療法の存在理由である

専門職=特定の分野に精通した人たちなわけでして、何かに秀でているから存在することが許されるわけです。

そういう意味で専門職というのは、なかなか世知辛い存在です。

作業療法士が作業療法しなくても作業療法士として存在できるというのは単なる幻想です。

専門職というのは、核を失ってまで存在が許されるほど甘くないです。

それは歴史が教えるところです。

作業療法士の場合、作業療法という専門分野に精通しているから存在していることが認められるんです。

では、作業療法の専門分野ってなにか?

ここまで読まれた方ならばすでにおわかりかと思いますが、作業療法の専門分野はOBPというアプローチです。

OBPは作業療法のルーツであり、作業療法のコアのアイデアを濃縮したものであるからです。

何も難しい問題ではありません。

作業療法はOBP=作業を通して健康と幸福を改善するという発想のもとで開発されたのですから。

まとめ

本記事では「なぜ作業療法でOBPが必要なんですか?」という疑問にお答えしました。

もう一度まとめると、理由は以下の3つです。

  • 理由①:OBPは作業療法のルーツである
  • 理由②:OBPはコアのアイデアを濃縮したものである
  • 理由③:OBPは作業療法の存在理由である

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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