【解説】多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価【ABCR-14がお勧め】
本記事では「多職種連携で意見の対立が生じやすくやりにくいです。私は職場のマネジメントに取り組む立場です。なので、こういう問題をどうにかしたいと考えています。こうした問題に対する対策を立てるにはまずどうしたらよいですか?」という疑問にお答えします
- 職場のマネジメントできる立場なので多職種連携の質を高めたい
- 多職種連携で生じる意見の対立をどうにかしたい
- 多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価があれば知りたい
多職種連携で生じる意見の対立はちゃんと評価しよう
臨床の過程
単純に言えば、臨床は以下の過程で展開します。
- 診断・評価
- 治療・介入・支援
- 成果測定
まず、医療従事者は担当させていただく当事者の状態を正確に理解するために診断・評価を行います。
その結果に基づいて、当事者が抱える問題を解決するために治療・介入・支援の計画を立案し、実践します。
その経過のなかで必要に応じて計画を修正しながら実践し続け、最終的に当事者の問題を解決できたかどうかで成果測定するわけです。
この手順はダイナミックでインタラクティブなプロセスであるため、こんな単純に展開しないのが普通です。
けど、明示的・非明示的に診断・評価してから治療・介入・支援するというのは外せない手続きです。
多職種連携の過程
実は、多職種連携で生じる意見の対立に対する対策も同型の過程で展開すべしです。
- 評価
- 介入
- 成果測定
多職種連携で意見の対立が生じやすいなら、どうしてそういう状態になっているのかを評価し、事態を把握したうえで対策を立てる必要があるのです。
多くの人は経験的に対処しようとするから、結局のところ我慢するしかなかったり、事態がこじれるばかりだったりするんです。
意見の対立の評価は以下の2つに整理できます。
- 非構成的評価:自然な会話と観察を通して評価する
- 構成的評価:事象を数量化することで評価する
多くの場合、非構成的評価をかっちりやった方がいいです。
その具体的方法は以下の書籍に詳しいです。
他方、 職場のマネジメントに取り組む立場の人は、非構成的評価に加えて構成的評価を活用したらよいです。
つまり、多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定し、その結果に基づいて対策を立案するのです。
その際、測定は個人を特定できないように工夫するとよいです。
意見が対立しやすい職場で記名式の測定を行うと嘘をつくか、今までよりもモメルことになります。
多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価
多職種連携の状態を測定できる評価
多職種連携の状態を測定できる評価はいろいろあります。
一例を示すと以下の通り。
これらの評価は目的が異なりますが、それぞれ良好な尺度特性を示しています。
なので、本記事を読んでいる皆さんの目的にあわせて適宜使い分けていけばよいです。
多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価
ところが、これらのうち、多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価はABCR-14のみです。
ABCR-14は多職種連携で生じる信念対立を測定するための評価法です。
これの理論的基盤は信念対立解明アプローチです。
信念対立解明アプローチについては以下の記事でで詳述しているので参考にしてください。
ここではそのポイントを説明すると、信念対立解明アプローチは世界観の違いによって生じる意見の確執を解消するものです。
ABCR-14は信念対立解明アプローチを基盤にしておりまして、多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できるという特徴があるのです。
職場のマネジメントに取り組む立場の方が、意見の対立が生じやすい多職種連携に対する対策を立てたいなら、まずABCR-14について理解を深めて活用していくとよいでしょう。
その詳細は「ABCR-14活用ガイド」で論じていますので、ぜひ参考になさってください。
まとめ:【解説】多職種連携で生じる意見の対立の状態を測定できる評価【ABCR-14がお勧め】
本記事では「多職種連携で意見の対立が生じやすくやりにくいです。私は職場のマネジメントに取り組む立場です。なので、こういう問題をどうにかしたいと考えています。こうした問題に対する対策を立てるにはまずどうしたらよいですか?」という疑問にお答えしました。
遠回りに感じるかもしれませんが、多職種連携で生じる意見の対立に対する対策の過程は以下の通りでして、まずは評価をきっちりやってみましょう。
- 評価
- 介入
- 成果測定
具体的な評価には非構成的評価と構成的評価がありますが、職場のマネジメントで取り組むならば構成的評価のABCR-14がおすすめです。