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【初心者向け】哲学を独学する方法【実体験を元に解説】

京極真
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本記事では「哲学に興味がありますけども、社会人なので今から哲学科に進むのは現実的ではないです。哲学を独学できる方法があれば知りたいです」という疑問にお答えします。

こんな方におすすめ
  • 哲学に興味がある
  • 哲学を独学する手順が知りたい

ぼくの経験談を踏まえて、シンプルに表すと結論は以下の通りです。

哲学を独学する方法
  • 手順①:入門書を読む
  • 手順②:哲学史を読む
  • 手順③:哲学書を読む
  • 手順④:哲学原理を手がかりに思考する

哲学を独学する方法【手順①】:入門書を読む

哲学は基本的にめちゃくちゃ難しいので、いきなり本格的な哲学書を読んでもほぼ挫折します。

ぼくがはじめて読んだ哲学書はマルクスの『資本論』でして、中学生の頃に本屋さんでたまたま出会ったのがきっかけです。

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今から思えばほとんど理解できなかったんですが、何やらすごいことが書いていることだけはわかったので、夢中になって全巻通読しました。

で、ぼくの中に残った感覚は「働いたら負け」というもので、今にして思えばニートの先駆けのような読書感想を頂いたわけです。

ごめんちゃい、マルクス。

思い出話はさておき、哲学書はとにかく難しく、本に目を通しても読んでいるようで読めないです。

なので、独学したい人は哲学のめちゃくちゃわかりやすい入門書から読むとよいです。

哲学の入門書には「どう読めばよいかをモデル提示している」という特徴があります。

なので、独学するなら積極的に初心者向けの入門書を活用しましょう。

めちゃくちゃわかりやすい入門書は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。

哲学を独学する方法【手順②】:哲学史を読む

入門書を読んだら、哲学を独学するためには「全体像」をしっかり把握しておくとよいです。

いきなり個別の哲学書を読む人がいますけど、各論から入るとごく一部の天才を除いて普通はまったく理解できません。

ぼくらにような普通の人は、個別の哲学書から読むと哲学という壮大な迷路で迷子になるだけです。

なのでまずは、哲学史を読んで見取り図を頭にインストールしましょう。

それによって、大きな流れが把握できるため、その後の独学の効率性を高めやすいです。

哲学を独学する方法【手順③】:個別の哲学書を読む

哲学書の選び方

哲学史を押さえたら、個別の哲学書を選びます。

選び方の超ざっくりした視点は以下の通り。

選び方の一例
  • 本質 → 本質論(ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、フッサール、など)
  • 認識 → 現象学関連(デカルト、カント、フッサール、ハイデガー、竹田青嗣、西研、など)
  • 人間 → 人間哲学(カント、ヘーゲル、キルケゴール、ハイデガー、サルトル、メルロ=ポンティ、など)
  • 経験 → 経験論(ベーコン、ロック、バークリー、ヒューム、ジェームス、デューイ、など)
  • 社会 → 社会哲学(マキャベリ、ルソー、ホッブス、ヘーゲル、マルクス、苫野一徳、など)
  • 言葉 → 言語論(ソシュール、パース、デリダ、ウィトゲンシュタイン、クワイン、など)
  • 科学 → 科学論(ベーコン、パース、ポパー、クーン、池田清彦、西條剛央、など)

本当は、2400年前から現代まで歴史に残る哲学書を通読する必要があります。

これが大前提ですけども、最初からいきなりやると挫折します。

なので、まずは興味のあるテーマから選んで、徐々に広げていけばよいです。

例えば、認識に関心があるならば、フッサールや竹田の現象学から選んで、デカルト、カントの著作へと広げていくとよいでしょう。

ぼくは研究で必要だったため哲学を独学しましたが、認識、科学などに関心があったので現象学や科学論から選びはじめました。

哲学書の読み方

哲学書の読み方は「入門→初級→中級→上級→プロ」で異なってきます。

読書力がないのに、いきなりプロからはじめても挫折します。

自身の読書力に適した読み方を採用してください。

加えて、良くできた超一級の哲学書は体験にてらしあわせることによって理路を確かめられる可能性に開かれています。

つまり、読者が自身の体験で吟味しながら読むことによって「なるほど!この問題については、こう言わざるを得ないなぁ」と実感できるようになっているのです。

哲学は原理をとことん追究する学問でして、徹底的に批判されても崩れない最強度の理路かどうかを判断できるようにするために、そういうことができる「書き方」になっているわけです。

なので、哲学書を読むときは、そこで示されている原理=理路が成立するかどうかを吟味しながら読んでいくとよいです。

哲学を独学する方法【手順④】:原理を手がかりに思考する

ぼくの経験からすると、独学したいなら哲学書を読むだけでは不十分で、PCDAサイクルをごりごり回す必要があります。

具体的に言うと、自分が体験している課題を解くために哲学書に示された原理を手がかりに思考するのです。

例えば、ぼくの場合は臨床現場で「信念対立」という課題に困っていました。

なので、これを解くために原理を参考に考えるという作業をおこなったわけです。

徒手空拳で考えるという方法もありますが、ぼくらのような普通の人の脳のスペックでそれやっても大した答えはまずでません。

なので、思考の方法として哲学を活用し、問題を解いて先に進む、というスタンスでPCDAサイクルを回すことが圧倒的におすすめです。

PDCAサイクルは爆速で回せば回すほど独学の精度が上がってくるので、原理を視点にどんどん思考すべしです。

哲学を独学したいなら、思考のトライ&エラーあるのみですよ。

なお独学にはメリットがある一方で、デメリットもあります。

以下の記事で紹介しています。参考にどうぞ!

あわせて読みたい
【解説】独学のメリットとデメリット【経験談あり】
【解説】独学のメリットとデメリット【経験談あり】

まとめ:哲学を独学する方法

本記事では「哲学に興味がありますけども、社会人なので今から哲学科に進むのは現実的ではないです。哲学を独学できる方法があれば知りたいです」という疑問にお答えしました。

基本的手順は以下の通りです。

哲学を独学する方法
  • 手順①:入門書を読む
  • 手順②:哲学史を読む
  • 手順③:哲学書を読む
  • 手順④:哲学原理を手がかりに思考する

なお、独学はわりと苦労しますので、実際に哲学を独学するにあたっては、以下の記事もあわせて読むことを推奨します。

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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