資本主義というゲームを攻略したければ自己研鑽に努めるべし
本記事では「日々の仕事で手一杯です。なのに、自己研鑽しないとダメですか。できれば自己研鑽したくないです」という疑問にお答えします
本記事を書いているぼくは、中学生の頃にマルクスの『資本論』を読み、あまりの衝撃で「働いたら負け!」と確信した経験があります。
けどその後も繰り返し読んでいるうちに、本書は「働いたら負け!」とかそういう話ではなく、資本主義というゲームを個人で攻略するヒントが満載なんではないか、と理解するようになりました。
本記事ではそんなぼくが、上記の疑問にさくっとお答えします。
先に結論をいっておけば、搾取され続ける人生から抜けだしたいならば、自己研鑽するしかないです。
以下その理路を述べていきます。
資本主義というゲームを攻略したければ自己研鑽に努めるべし
結論から言うと、日本社会は資本主義ゲームなので、攻略したければ自己研鑽に努めるしかないです。
自己研鑽したくないと思っちゃう人は、自らが否応なしに参加している資本主義ゲームのルールを理解していないことが多いです。
なので、まずは資本主義ゲームの仕組みから説明していきます。
資本主義というゲームの仕組み
一言でいうと、資本主義は資本家が労働者を搾取することによって発展していくゲームです。
- 労働者:資本家に労働力という商品を売って利益を得る
- 資本家:労働者から労働力を搾り取ることによって利益を得る
ぼくたち労働者が収入を得るには、資本家に労働力を売るしかありません。
そして、資本家が労働者から労働力を買うことによって収入を得るには、労働者に労働力以上の価値を生みださせるしかないです。
つまり、資本家は支払う給与以上の価値を、労働者から生みださせないと儲からないです。
なので、資本主義ゲームでは、資本家は労働者から搾り取ることになるわけです。
資本主義ゲームは、労働者が生みだす労働力以上の価値を得ることが目的です。
なので、資本家は労働者が身の丈以上に頑張らざるを得ない仕組みを巧妙に作りだします。
だけども構造上、労働者に還元される利益は、月給20万点とか30万円とかに限られています。
資本主義というゲームにおいて、普通の労働者はいくらでも代わりがきく存在なので、還元する利益をギリギリにしぼってもどうとでもなるんです。
だから、ぼくら労働者は搾取構造の中にいる限りにおいて、残念ながら基本的に詰んでいると言えます。
以下の記事をあわせてどうぞ。
労働者が資本主義を攻略するには自己研鑽するしかない
搾取構造から抜けるには、どうしたらよいでしょうか。
結論をいうと、自己研鑽するしかないです。
自己研鑽とは、自分自身の価値を高め、生みだす価値を増幅する営みです。
これは、資本家が自らの組織の目標を達成するために、労働者にスキル向上の機会を提供することとはまったくおもむきが異なります。
資本家は労働者が労働力以上の価値を生めるようにするために、組織として達成すべき目標を決めて、その目標を達成するために必要な学習の機会を提供します。
すると、労働者はスキルを高めることができるので、さらなる価値を生めるようになることから、資本家が旨味を吸い取りやすくなります。
こういうスキルアップは組織のための研鑽であって、個人の価値を高めるために行う自己研鑽ではありません。
自己研鑽は、組織の目標達成のためにスキル向上するものではないです。
そうではなく、自己研鑽は自らの可能性を広げるために、自分自身を鍛え抜くことです。
組織の目標達成のためのスキル向上は、結局のところ資本家に搾り取られる余剰価値を増やすだけです。
他方、自己研鑽は組織の目標達成とは別に、自らの価値を高めるために特技を極めていくものでして、その利益は労働者個人に跳ね返っていきます。
自己研鑽によって個人に利益が戻ってきますし、他に代えがたい価値が生まれるので資本家からの利益還元率も高くなりやすいです。
その結果として、資本家から労働力を搾り取られる構図から、部分的にでも脱却できる可能性がやってくるわけです。
資本主義ゲームを攻略するには、労働者が生みだす価値を搾取する構造とは別の次元で利益を得ていく方法をつかみ取る必要があります。
自己研鑽はその可能性の方法です。
生涯かけて骨の髄まで搾り取られてもよいならば、自己研鑽しなくてもよいです。
けど、ちょっとでも上手に資本主義ゲームを攻略したければ自己研鑽に努めるべしです。
自己研鑽に努めるコツ
自己研鑽に努めるコツは2つだけです。
これ以外は無駄な努力なので、基本やらなくてよいです。
やや抽象的ですけども、重要なのでさくっと解説します。
- その①:得意分野(専門分野)を極める
- その②:価値を生むスキルを獲得する
その①:得意分野(専門分野)を極める
まずは、自分の得意分野(専門分野)を極めるとよいです。
それが、いま働いている職場に関連するものであればラッキーです。
仕事=自己研鑽となるわけなので、労働によって個人の価値を高めることができるため一石二鳥だからです。
そしてこれは、労働者にとっても、資本家にとっても美味しい話です。
他方、極めたい得意分野(専門分野)がいまの職場に関連しないものであれば、労働はできるだけさくっと終わらせて、定時になったら速攻で帰宅するとよいです。
労働で搾り取られると、得意分野(専門分野)を極めるエネルギーが残らないので、業務に支障が生じない範囲で上手に手を抜くわけです。
そして、労働後に自己研鑽のための圧倒的な努力を重ねてください。
ここはわりと重要ですが、「これで結果がでなければ、余程のアホか、運がなかったかのどちらかだ」と確信せざるを得ないぐらい、徹底した努力を重ねて得意分野(専門分野)を極めることです。
その②:価値を生むスキルを獲得する
得意分野がないならば、自己研鑽で価値を生むスキルを獲得するとよいです。
単純に言うと、価値を生むスキルとは以下の2つです。
- 価値を作るスキル
- 価値を売るスキル
価値は、人間の欲望に応じて決まります。
なので、価値を作るスキルは、人間の欲望を見定めて、そこにさくっと差し込む技能です。
そして、価値を売るスキルは、人間の欲望を見定めて、それにあったかたちで提示する技能です。
自己研鑽で価値を生むスキルを獲得できれば、自らの可能性の幅を広げることができます。
なので、資本主義ゲームを攻略したければ、ぜひ取り組むと良いです。
自己研鑽に努めることで発生した価値で新たな価値を生む
自己研鑽に努めると、価値=収益が発生しやすくなります。
それをすぐ消費に回したら意味がないです。
例えば、自己研鑽に努めた結果として、給与以外に3万円の収益が発生したとします。
それに喜んで、3万円のコース料理を食べたら、手元に残るのは0円です。
これだとプラスマイナスゼロなので、ぶっちゃけ冬眠している状態と一緒でして、搾取され続ける人生から抜けられません。
資本主義ゲームを攻略するにはわずかな額でもよいですから、資本家がやっているように価値が価値を生む状態を作る必要があります。
ベストセラーになった「21世紀の資本」で詳述されていたように、資本主義ゲームでは労働によって価値を生むよりも、価値が価値を生む方が効率的に成長していきます。
労働者が自己研鑽に努めるなら、この残酷なルール(しかし資本家にとって都合の良いルール)を活用していくという視点をもつべしです。
まとめ:資本主義というゲームを攻略したければ自己研鑽に努めるべし
本記事では「日々の仕事で手一杯です。なのに、自己研鑽しないとダメですか。できれば自己研鑽したくないです」という疑問にお答えしました。
結論から言うと、日本社会は資本主義ゲームなので、骨の髄まで搾り取られる人生から部分的に脱却したいならば、四の五の言わず自己研鑽に努めるしかないです。
ぼくたち労働者にとって、自己研鑽は資本家から自由になるためのプロセスです。
なので、資本家から「自己研鑽しろ」と言われたら「自分のためにもっと搾り取れる利益を生みだせ」と言っているのかもしれない、と眉唾で聞いておいたらよいかもです。
自己研鑽によって搾取が加速されたら身も蓋もないですからね。