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新人作業療法士の悩みは成長の原動力【悩みを業績に変える方法も解説】

京極真
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本記事では「4月に作業療法士になったばかりの新人です。働きはじめると、いろいろ悩みが増えてつらいです。作業療法士に向いていないのかなぁ」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 悩める新人作業療法士である
  • 悩みを成長の原動力にする方法を知りたい
  • 悩みが業績に変わる方法を理解したい

新人作業療法士の悩みは成長の原動力

結論:悩みは成長の糧です

悩んでいる最中は見通しがまったく立たないですけども、後から考えると悩みは成長の原動力です。

理由は①悩むことによって行動し、②行動することによって問題解決に至り、③悩む前よりもできることが増える、からです。

ぼくの経験から言っても、新人時代の悩みはたいへんつらいです。

けど、悩みは扱い方によっては成長の原動力になりえます。

同じつらい思いするなら、自らの成長の糧として利用すべしです。

悩みが成長の原動力になった例

ぼくの例で説明すると以下の通り。

具体例:ぼくの場合
  • 人間関係で悩む→信念対立解明アプローチを開発する
  • 作業療法評価で悩む→4条件メソッドを開発する
  • 作業療法の専門性で悩む→OBP2.0を共同開発する など

ぼくはこれまで、さまざまな理論・評価・介入を開発してきました。

実はこれらすべての原体験は、新人時代の悩みにつながります。

ぼくが新人時代に悩んでいなければ、これらを開発することはなかった可能性があります。

成長しても悩みは消えない

ここで悲報です。

ぼくの経験上、成長しても悩みは消えないです。

理由は「悩む→成長する」と見えている世界が変わるので、悩みがどんどん深化していくからです。

面白いことに悩み自体に深みがでてくるんですよね。

だから、中堅作業療法士になった今も別の問題で悩んでいます。

悩みから完全解放されることは、たぶんないです。

けど、これは成長の原動力であり、新人作業療法士の頃には想像もできなかった高みへと登っていく過程です。

新人作業療法士が悩みを糧にするコツ

結論:挑戦する

悩みを成長の原動力として活用するコツは「挑戦」です。

理由は、挑戦しないと悩みを解決できないからです。

例えば、ぼくは新人時代に人間関係(多職種連携)で悩みました。

もしこのとき、ぼくが悩んだままでいたとしたら、生みだされるのはストレスぐらいです。

もしかしたら、メンタルがやられていたかもしれません。

人間関係の悩みから信念対立解明アプローチを開発できたのは、ぼくが挑戦したからです。

信念対立解明アプローチについて知りたい人は以下の記事で紹介しているので、そっちを参考にしてください。

あわせて読みたい
【2020年】信念対立解明アプローチ入門【開発者が語る】
【2020年】信念対立解明アプローチ入門【開発者が語る】

4条件メソッドも同じです。

当時、作業療法評価は確実な結果を出そうとすると型にはまる必要があり、逆に柔軟に評価しようとすると確実な結果を出せないという問題があって悩みました。

悩んでいるだけなら何も変わらなかったですけど、挑戦したので新しい技術の開発につながりました。

このように、悩みを糧にするコツは挑戦かな、と思っています。

挑戦は悩みの分析からはじまる

挑戦は悩みの分析からはじまります。

例えば、人間関係で悩んでいたとしたら、そもそもなぜ人間関係の悩みが生じるのかを分析するわけです。

理由は簡単で「生きている世界が人それぞれ違うから」です。

だから、どうしても摩擦が生じるんですね。

もちろん、悩んでいる最中は思考力が落ちるので簡単に解答を出せないです。

けど、ひとつひとつ丁寧に整理し、底の底まで考え抜くと分析していくことができるものです。

分析したら行動する

分析したら悩みの解き方がわかるので、後は行動あるのみです。

例えば、生きている世界が違うために人間関係で悩むなら、世界像のすりあわせという解き方が導けますよね。

なら、行動ではそのロジックの組み立てと技術の構築をしていけばよいんです。

もちろん、行動しはじめると見えている世界がどんどん変わっていくので、「あれ?分析した結果はちょっと変かも」と思うこともしばしばありです。

そういうときは、分析からもう一度やり直せばよいです。

分析のやり直しは分析の失敗を意味しません。

それは、行動によって成果を出すためのプロセスなんです。

行動したら結果を分析し改善する

圧倒的に行動すると、しばらくしたら結果が見えてきます。

その場合、結果を分析して行動を改善していくようにします。

一度の行動で悩みが解消されることはまずないです。

大事なことは「行動する→改善する」です。

ここを怠ると、せっかく行動したのに成長できない、という事態に陥りかねません。

なので、結果の分析を通して改善点をあぶりだすと良いです。

悩める新人作業療法士は事例報告がおすすめ

事例報告のすすめ

上述したように、悩みを成長の原動力にするには、以下のステップが重要です。

悩みを原動力にするステップ
  • ステップ①:悩む
  • ステップ②:分析する
  • ステップ③:行動する
  • ステップ④:結果を分析する
  • ステップ⑤:行動を改善する

実のところ、ぼくはこれを「事例報告」でやってきたという経緯があります。

事例報告がおすすめの理由

新人作業療法士が悩みを成長の原動力に変えるうえで、事例報告がおすすめの理由は上記の5つのステップが事例報告の背景にある営みに当てはまるからです。

事例報告を書くにはまず、臨床の困りごとに着目し、それを冷静に分析し、行動につなげて、さらに結果を分析して行動を改善する、というプロセスが欠かせません。

しかも、事例報告は「書く」ので、思考の整理にめちゃ役立つんです。

ぼくの場合、多職種が作業療法を理解できず、否定されまくるという出来事に悩んだので、この問題を解決するために作業療法理論を活用するというところからはじめました。

そして、その成果は事例報告として研究論文化しました。

研究論文を生みだすには書かなければなりません。

書くことによって「分析する、行動する、結果を分析する」が加速し、さらなる行動の改善につながっていきました。

事例報告を書けば悩みが業績に変わる

「悩む→挑戦する」という過程を事例報告でまとめれば、悩みが成長の糧になりやすくなります。

理由は、研究論文として事例報告をまとめれば、悩みが業績にシフトチェンジするからです。

個人として悩みに対応しているだけだと、「自分で掘った穴を、自分で埋めている」ような状態です。

もちろん、それでも悩みは成長の原動力になりえますが、正直なところ押しが弱いです。

成長の糧として悩みを活用したいなら、「悩み→業績」というパスを通す必要があります。

せっかく悩んでいるわけですから、自らの業績増加につなげてさらなる成長に役立てていきましょう。

なお、事例報告の書き方は以下の記事でまとめています。

まとめ:新人作業療法士の悩みは成長の原動力

本記事では「4月に作業療法士になったばかりの新人です。働きはじめると、いろいろ悩みが増えてつらいです。作業療法士に向いていないのかなぁ」という疑問にお答えしました。

結論をいうと、悩んでいる最中は見通しがまったく立たないですけども、後から考えると悩みは成長の原動力です。

皆さんの未来が明るくなりますよう祈念しております。

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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