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共分散構造分析のおすすめフリーソフト【構造方程式モデリング/SEM】

京極真
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本記事では「共分散構造分析を実行したいですが、有料ソフトを買うお金がありません。おすすめフリーソフトがあれば教えてください」という疑問にお答えします。

こんな方におすすめ
  • 共分散構造分析のおすすめフリーソフトを教えてほしい
  • どんなことができるのかを知りたい

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共分散構造分析のおすすめフリーソフト【構造方程式モデリング/SEM】

結論から言うと、フリーソフトでSEMを実施したいならば、Rのlavaanblavaanがおすすめです。

理由は、初心者はとっつきにくい印象をもつかもですが、両方とも基本的には同じシンプルなコードで実行できるからです。

例えば、簡単な例を示すと、確認的因子分析は以下の通り。

まずはlavaanです。

lavaan

model <- ‘
f1 =~ x1 + x2 + x3
f2 =~ x4 + x5 + x6
f3 =~ x7 + x8 + x9 ‘
fit <- cfa(model, data=data)

次にblavaanです。

blavaan

model <- ‘
f1 =~ x1 + x2 + x3
f2 =~ x4 + x5 + x6
f3 =~ x7 + x8 + x9 ‘
fit <- bcfa(model, data=data)

両者の違いはlavaanがcfa関数、blavaanがbcfa関数を使うところです。

もちろん、他にも設定の仕方で異なったりしますけども、モデルの記述法は以下の通り両者で共通していることがわかると思います。

モデルの記述

model <- ‘
f1 =~ x1 + x2 + x3
f2 =~ x4 + x5 + x6
f3 =~ x7 + x8 + x9 ‘

こんな感じで、Rのlavaanとblavaanはモデルの記述法が共通しているし、わりとシンプルなコードで実行できるますから、フリーソフトでSEMを実行したいならこれらを選択しておけばOKです。

なお、その他のフリーソフトは以下の記事で紹介しているので、関心ある人はあわせてどうぞです。

共分散構造分析のフリーソフトでできること

SEMで実行できるモデルは、lavaanとblavaanともにほぼ同じです。

例えば、以下のモデルが実行できます。

単回帰分析の例は以下の通り。

単回帰分析

model <-‘
x1 ~ x2′

重回帰分析の例は以下の通り。

重回帰分析

model <-‘
x1 ~ x2 + x3′

パス解析の例は以下の通り。

パス解析

model <-‘
x1 + x2 ~ x3 + x4′

多重指標モデルの例は以下の通り。

多重指標モデル

model <-‘
f1 =~ x1 + x2
f2 =~ x3 + x4
f1 ~ f2′

ここでは簡単な例のみ示しましたが、lavaanとblavaanは同じ書き方でいろんなモデルを実行できます。

lavaanとblavaanの違いは使用できる推定法です。

それぞれ対応している推定法は以下の通りです。

  • lavaan・・・最小二乗法や最尤法など
  • blavaan・・・ベイズ法

通常はlavaanで十分かと思いますが、サンプルサイズが比較的小さい、モデルが複雑である、推定精度の向上を図る、仮説を評価するなどの意図があればblavaanがよいかもです。

詳しい使い方の違いは以下のマニュアルを参照してください。

なお、lavaanとblavaanはRのパッケージなので、実際に使うためにはRの理解が必須です。

共分散構造分析ができるとよいこと

個人的な経験をいうと、SEMができるようになると研究の自由が高まります。

例えば、回帰分析系しか扱えなかったら、説明変数は複数あつかえても、目的変数は1つしかおけません。

これは、重回帰でも、ロジスティック回帰でも、ポアソン回帰でも同じです。

回帰分析系は、先行研究の検討結果から「説明変数が4つあって、目的変数が3つある」みたいなときに1つのモデルで扱えないです。

だけども、SEMを使えるようになっていれば、そういう複雑なモデルも検証できます。

例えば、lavaanなら以下のようにモデルを記述するだけです。

パス解析

model <-‘
x1 + x2 + x3 ~ x4 + x5 + x6 + x7′

もちろん、SEMなら上述したように単純な回帰分析系のモデルもさくっと扱うことができます。

この辺の自由度の高さが、SEMを研究で使う最大のメリットですね。

ぼくは自分の経験からそう確信しています。

共分散構造分析のフリーソフトの使い方を学べるおすすめ本

おすすめ本は以下の通り。

おすすめ本
  • 共分散構造分析(R編) 構造方程式モデリング
  • M-plusとRによる構造方程式モデリング入門

ともにlavaanのみ紹介していますが、lavaanがわかればblavaanもたぶん使えるので、これらのフリーソフトでSEMやりたいなら買っておくべしです。

こちらはSEM最強の有料ソフトであるMplusについても学べます。

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まとめ:共分散構造分析のおすすめフリーソフト【構造方程式モデリング/SEM】

本記事では「共分散構造分析を実行したいですが、有料ソフトを買うお金がありません。おすすめフリーソフトがあれば教えてください」という疑問にお答えしました。

結論を言うと、フリーソフトでSEMを実施したいならば、Rのlavaanとblavaanがおすすめです。

本記事がSEMを実行したい人の役に立つようならうれしいです。

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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