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アクション・リサーチを学べるおすすめ本【厳選3冊】

京極真
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本記事では「アクションリサーチに興味がありますが、具体的にイメージしにくいです。アクションリサーチを学ぶうえでおすすめ本ってありますか?」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • アクション・リサーチって言葉を聞くけどよくわからない
  • これからアクション・リサーチしたいけど、具体的にどうしたらよいかわからない
  • アクション・リサーチについて独学したい

本記事を書いているぼくは大学および大学院でさまざまな研究法を教えております。

その手法のひとつにアクション・リサーチ(action research)があります。

アクション・リサーチは、特定の文脈の中で生じている問題を解決するために、当事者と研究者がコラボレーションしながら変化を引きおこす研究実践です。

アクション・リサーチは実践と研究が分かちがたく結びついているため、とてもプラグマティックな研究法です。

本記事ではアクション・リサーチの特徴を解説し、さらに学ぶために有益な研究本を紹介します。

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アクション・リサーチが適している研究課題例

アクション・リサーチは、社会の中で生じるさまざまな問題に対して、当事者と研究者が協働しながら解決策を考えて、実践を通してその有効性を検討し、さらにその結果から解決策をバージョンアップし、さらに問題解決を推進する、という研究実践です。

この説明からもわかるように、アクション・リサーチはかなりプラグマティックな研究法ですから、現実の問題を解決するための方略を導き出すことに長けています。

したがって、アクション・リサーチは、当事者と研究者がコラボレーションすることによって問題解決するタイプの研究課題に適しています。

研究課題例
  • 回復期リハビリテーション病棟に入院する対象者が地域生活に移行するにあたって体験する困難感を整理し、対象者と療法士の協働のもとで困難感の解消をめざすことで生じる変化を明らかにしたい
  • 精神障害をもちながら一般就労を目指す当事者が体験する問題を解明し、それに基づき当事者と研究者が解決策を立案し、実行したうえで、さらによい解決策を見つけていきたい など

このように、アクション・リサーチは社会問題のプラグマティックな解決を目指していく研究課題にあった研究法であるといえます。

アクション・リサーチのメリット・デメリット

アクション・リサーチの特徴

アクション・リサーチは看護学、心理学、社会学などの分野ごとにそれぞれ発展してきたので、その定義もいろいろあります。

アクション・リサーチは「協働による現実問題の解決」ですから、現実問題の内実に応じて研究法の捉え方にもいろいろあるわけです。

ただ、大きくいえば、アクション・リサーチとは当事者と研究者が社会の中で生じる問題を協働的に解決するアプローチであるというところに共通点があるといえるでしょう。

アクション・リサーチのメリットとデメリットは以下の通り。

アクション・リサーチのメリット

メリット
  • 当事者と研究者が協力しあって問題を解決できる
  • 当事者のエンパワーメントが促進される
  • 研究を通して社会変革に貢献できる

アクション・リサーチのデメリット

デメリット
  • 研究結果の質(信頼性、妥当性など)の担保が難しい
  • 研究に時間がかかるため比較的多くの資源(時間、金銭など)が必要である
  • 現実的制約を受けやすい

アクション・リサーチを学べるおすすめ本【厳選3冊】

本記事で紹介する本は以下の3冊です。

おすすめ本
  • はじめてのアクション・リサーチ
  • アクション・リサーチ
  • アクションリサーチ入門

はじめてのアクション・リサーチ

副題で英語授業領域を謳っていますが、アクション・リサーチの入門書として幅広くおすすめできる内容です。

アクション・リサーチの実践に必要な情報が盛りこまれているので、本書を読んで具体的イメージをふくらませましょう。

ただし、例は英語授業なので自分の領域に置きかえながら読むことを忘れずに!

アクション・リサーチ

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本書はアクション・リサーチの理論から実践まで理解できる内容です。

アクション・リサーチは社会的構築主義を基盤にしており、その認識論の理解が研究実践にかかわってきます。

本書はそうした哲学的基盤から具体的な実践までわかりやすく詳述しています。

アクションリサーチ入門

看護研究となっていますが、アクション・リサーチに興味ある人全般におすすめです。

アクション・リサーチは当事者と研究者の協働による現実問題を解決するプロセスを研究する手法です。

本書はアクション・リサーチによる臨床現場の変化、そのプロセスを論文化する方法まで網羅的に扱っており、この手法に取り組みたい人は手元に置いておくとよいです。

まとめ

本記事では「アクションリサーチに興味がありますが、具体的にイメージしにくいです。アクションリサーチを学ぶうえでおすすめ本ってありますか?」という疑問にお答えしました。

おすすめは以下の3冊です。

おすすめ本
  • はじめてのアクション・リサーチ
  • アクション・リサーチ
  • アクションリサーチ入門

これからアクション・リサーチに取り組みたい人に役立てばうれしいです。

また、以下の記事で研究を学べる本をまとめました。

どんな本を読めばいいのかお探しの方は以下からどうぞ!!

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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