【解説】チーム医療のメリットとデメリット【研究者が語る】
本記事では「いろいろなところでチームアプローチは重要だと言われていますが、チーム医療のメリットとデメリットが知りたいです。チーム医療のメリットとデメリットを教えてください」という疑問にお答えします。
- チーム医療のメリットとデメリットを学べるおすすめ本【厳選3冊】
- チーム医療のメリット
- チーム医療のデメリット
チーム医療のメリットとデメリットを学べるおすすめ本【厳選3冊】
あらかじめ紹介しておくと、チーム医療のメリットとデメリットを学べるおすすめ本は以下の3冊です。
これらの本はチーム医療のメリットとデメリットの理解に加えて、効果的なチーム医療を実践する方法についても学べます。
なので、チーム医療に関心がある人は必読かと思います。
Understanding Teamwork in Health Care
良書です。
チーム医療の理論から応用まで網羅的に解説しています。
また事例を通して、チーム医療の理論の使い方も学習できます。
Healthcare Teamwork
こちらも良書です。
良く機能しているチームとそうでないチームを対比しながら論じており、よりよく機能するチーム医療の重要性を理解しやすいです。
加えて、患者とその家族へのインタビューを通してチーム医療の質を学べる章もあり、機能不全に陥ったチーム医療の問題性を理解しやすいです。
Effective Teamwork
本書はチーム医療を含むチームワーク全般のエビデンスを示しながら論じており、かなりおすすめです。
エビデンスに根ざした実践は現代医療の基本です。
本書を読んでエビデンスに根ざしたチームワークのポイントを学ぶと良いです。
チーム医療のメリット
さて、チーム医療には次のようなメリットがあります。
メリットの多くはパフォーマンスとアウトカムの改善に関わるものです。
- よりよい支援を実現する
- コミュニケーションが円滑になる
- コラボレーションを促進する
- 服薬アドリアランスが改善する
- 死亡率などのアウトカムが改善する
- QOLが向上する
- 患者の知識が向上する
- ケアにアクセスしやすくする
- 費用対効果が改善する
- 患者と専門家の満足度が向上する
- 効率よく支援できる
- フォローアップが改善する など
これらのメリットはさまざまな先行研究で指摘されているので、すでに多くの方がご存じかと思われます。
重要なポイントは、これらのメリットは専門家が1名で患者を支援していると得ることができないという点です。
チーム医療は各専門家のオーバーアチーブメントを促進するものでして、1名の専門家では得られないメリットをもたらしてくれるのです。
チーム医療のデメリット
チーム医療には次のようなデメリットがあります。
デメリットの多くは、さまざまな立場の人が関わることによって生じる齟齬にかかわるものです。
- 異なる立場の人たちが協働するため意見が対立しやすい
- 人間関係のトラブルによってストレスが向上しやすい
- 職場の雰囲気の悪化によって離職が促進される
- 専門家間の縄張り争い
- 専門性の違いによって価値観が衝突しやすい
- さまざまな分野に関する理解が不十分である
- コミュニケーションコストが増大する
- マネジメントの手間が増える
- チーム医療に対する認識の違いが鮮明になる など
これらのデメリットがチーム医療の前景にでてくると、以下のような問題が生じます。
- 支援の質が低下する
- コラボレーションが阻害される
- 服薬アドリアランスが悪化する
- 死亡率などのアウトカムが悪化する
- QOLが低下する
- ケアにアクセスしにくくなる
- 費用対効果が悪化する
- 患者と専門家のストレスが増大する
- 支援の効率性が落ちる
- フォローアップが困難になる など
つまり、チーム医療のデメリットの多くは立場が違う人たちの齟齬に求められ、それによってパフォーマンスとアウトカムの改善に関わるチーム医療のメリットが制約されるわけです。
まとめ:チーム医療のメリットとデメリット
本記事では「いろいろなところでチームアプローチは重要だと言われていますが、チーム医療のメリットとデメリットが知りたいです。チーム医療のメリットとデメリットを教えてください」という疑問にお答えしました。
チーム医療にはさまざまなメリットとデメリットがあり、可能な限りチーム医療のメリットを活かした実践が求められます。
本記事で紹介した3冊の本は、そのために役立つものばかりなので、関心がある人はぜひどうぞです。