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作業療法
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【簡単】どんな作業が健康と幸福に関係しているか?【基礎知識+評価概要】

Makoto KYOUGOKU
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京極真
京極真

本記事では「作業は健康と幸福に関係するというけども、どんな作業が健康と幸福に影響しているの?」という疑問に図解しながら答えています。

本記事のポイント
  • 作業は身体的、精神的、社会的な健康と幸福に影響している
  • 身体的な健康と幸福には、楽しく定期的な運動などの作業が関係している
  • 精神的な健康と幸福には、興味と能力を満たす活動などの作業が関係している
  • 社会的な健康と幸福には、人間関係をつなぐ作業などが関係している

作業療法って何だろう?

作業療法とは、仕事・遊び・日課・休息を通して健康と幸福を改善することです。

先日改訂された日本作業療法士協会の作業療法の定義でもそれは明記されていますし、世界の作業療法の定義でもその特徴は明確です。

「作業療法ってなんですか?」と問われたら「仕事・遊び・日課・休息を最適化することで健康と幸福を改善することです」と答えるようにしましょう。

健康と幸福の意味

とはいえ、人間の健康と幸福は、なかなか複雑な現象です。

なので、作業というパラメータのみでコントロールできるものではありません。

しかし、作業がそれらに影響を与えていることは、いろんな先行研究からけっこうな確度で言えるでしょう。

作業科学者のWilcockさんは以下の書籍で、作業、健康、の関係をクリアに整理しています。

健康とは、WHOの定義をもとに、身体的、精神的、社会的に良好な状態であると位置づけています。幸福(well-being)とは、身体的、精神的、社会的な状態に満足している程度です。

作業は、身体的、精神的、社会的な健康と安寧に良い意味でも悪い意味でも影響を与えるわけです。

この文献では、肯定的な作業がもつ特徴と健康と安寧の関係を以下のように図示しています(正確な内容は本文で確認してください)。

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作業と身体的な健康と幸福の関係

上記の文献によると、身体的な健康と幸福に対して、適切にコントロールされた意味を感じる運動、疲れがとれる程度にしっかりした睡眠、バランスの良い生活などという作業がポジティブな影響を与えます。

作業療法士は当事者の身体的な健康と幸福を支援する際は、そうした作業ができる/作業に関われるようにする必要があります。

作業と精神的な健康と幸福の関係

また、精神的な健康と幸福に対しては、意味を見いだせる活動、ニーズと能力がしっかりつながっている状態、社会的に承認される活動などの作業が肯定的な影響を与えています。

作業療法士が当事者の精神的な健康と幸福を高めたいときは、そうした作業の可能化と関与を促進しましょう。

作業と社会的な健康と幸福の関係

最後に、社会的な健康と幸福については、社会的なつながりのある活動、共通の目的のもとで行う活動、作業にサポ—ティブな環境などがあると作業がプラスの影響を発揮するわけです。

これも同様に、作業療法士が当事者の社会的な健康と幸福を促進したいときは、これらの作業への参加を促す必要があります。

当事者にとって意味があることが重要!

とはいえ、上記の作業を一方的に押しつけては絶対に駄目です。

当事者が意味を感じているものにしないと、かえってストレスを与えるので不健康ですし、不幸を生みます。

当事者にとって意味ある作業は構成的評価と非構成的評価で見つけます。

構成的評価はCAOD、COPM、AMPSなどがあります。

我々の研究室でも多数のツールを開発しており、無料で活用できるのでぜひご利用ください。

COPMやAMPSについては以下の書籍がオススメ。

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非構成的評価は自由な会話と観察で行います。

時と場所を選ばずに実行できるので、意味ある作業を見いだすためにしばしば活用します。

しかし、非構成的評価は使い方を間違えると妥当性と信頼性が低下します。

なので、そうした問題を解決できる4条件メソッドを意識しながら活用するようにしましょう。

まとめ:【簡単】どんな作業が健康と幸福に関係しているか?【基礎知識+評価概要】

本記事では「作業は健康と幸福に関係するというけども、どんな作業が健康と幸福に影響しているの?」という疑問にお答えしました。

作業療法士はぜひ理解を深めておきたいところですね。

著者紹介
京極 真
京極 真
Ph.D.、OT
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授(役職:人間科学部長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長、他)。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『OCP・OFP・OBPで学ぶ作業療法実践の教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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